自民党総裁選挙での党員票と議員票の乖離について、疑問を持つ方もいるようです。
石破氏「なんでこんな落差が…」総裁選で支援の河野氏が敗戦 国会議員票に違和感
でも、私は当然だろうと思っていますし、これこそが民主主義のあるべき適切な姿だと思っています。
どういうことか説明しましょう。今回の総裁選挙の候補者のうち、最も知名度が高かったのは河野太郎候補だったでしょう。
岸田さんは大臣や政調会長など要職を歴任してきましたが、玄人受けする人で、普通の国民にはあまりなじみがありません。
河野さんはツイッターで日頃から発信して多数のフォロワーを集めるなど、世間に対するアピールを非常に熱心にやってこられました。河野家三代目として、血筋の面からも注目されていました。
野田さんは女性活躍の面でいろいろ日頃から情報発信しており、マスコミからの注目度も高い議員の一人です。
その中で高市さんは一番地味で、知名度が低かったでしょう。
この4人の総裁候補者が出揃ったところで「さあ、世論調査します。誰が総裁にふさわしいですか?」と国民に聞いても、知らない人がほとんどなので答えられません。その中で知っている人と言えば「河野さんくらいかな」ということになり、知っている河野さんの名前を上げることになるのです。
つまり、今回の総裁選挙における事前のマスコミによる世論調査は、知名度を図っているだけで、総裁として適切かどうかの答えにはなりません。
政党であれば、ある程度国民に浸透していると思われるので、(国民民主党の支持率の低さは国民民主党という党名が浸透していないことも一因と思われる。)世論調査も意味があるかもしれません。
しかし、今回の総裁選挙では、知名度に差があるので、世論調査をしても意味がないのです。
そもそも、この4人がどのような思想信条で政治活動を行ってきたか、おそらくほとんどの国民は知らないでしょう。したがって、「誰が総裁にふさわしいと思いますか?」と聞かれても、政策ではなくイメージで答えるしかないのです。
そして、実際に政策を聞いてみたら高市さんの政策が抜群であった。そのために、高市さんの出馬記者会見のYOUTUBE動画の再生回数は、他の候補者に比べてずば抜けて多かったし、高評価を付ける人も非常に多かった。
インターネットが選挙で使われるようになって、いよいよインターネットを使った選挙戦も実用段階に入ってきたと感じますが、この動画の再生回数がネット選挙の時代の幕開けを感じさせます。
しかし、そうはいってもインターネットで動画まで見る人は相当意識の高い人か、仕事上理由があってみている人です。日本国民全体からみたら限られた人たちです。
普通の人は、まだまだテレビや新聞などのマスコミから情報を入手し、テレビの言うことや新聞で書かれていることを信じて暮らしています。そこでは、テレビに出る回数の多い人の支持率が上がる、ということになります。
したがって、党員票は普通のテレビに出ている回数の多い順に得票されるのが当然なのです。しかし、これでいい人が選ばれるわけではないことは、お分かりだと思います。
今回は、一回目の投票は議員票と党員票が同数割り当てられていました。新聞やテレビの情報しかない人たちの票と、候補者自身と食事をし、一緒に酒を飲み、あるいは議論を戦わせたことがある議員と、どちらが正しい判断を行えるでしょうか。言うまでもないことだと思います。
結果として議員票では岸田さん→高市さん→河野さん→野田さんという順番になりました。
党員票と議員票に乖離があるのは、いわば当然と言えば当然なのです。知名度で議員が投票行動を決めているわけではありません。しかも、今回は岸田派を除き、すべての派閥が自主投票でした。派閥での締め付けは、少なくとも私のところには本当にありませんでした。今回の議員票は、議員本人の政治信条に従って投票行動をした結果である、と言えるでしょう。
決選投票では岸田さん圧勝という結果になりました。私は、これこそ日本の民主主義の勝利だと思います。
そして、なぜ直接民主主義ではなく間接民主主義が採用されているのか、についても考えさせられる総裁選挙でした。間接民主主義を採用している我が国の民主主義の勝利であったのです。
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安藤先生
今回私は単身赴任先でテレビがない環境下で総裁選を迎えました。これまでは会社員として生活してきて「政治は人ごと」とある程度距離を持っていました。
コロナ禍で行動が制限される中でネットで流れる日頃からの情報ソースと、から意識が変わりました。
自分の生活には政治視点が抜けていたと。
高市早苗さんの総裁選出馬から、「政治は政策」で理解していけば自分が関わる観点が有るんだと言うのを痛切に感じました。
著書を購入し、フォローする人を変え、支持者の中に安藤先生が居られるのを見つけ、自分の選挙区なのでフォローして行く。
行動を変えていきました。
総裁選は記事にある通り、知名度の差が決め手となり高市早苗候補は一歩及ばず。。
が、その直後から「自民党員になる」と意思表明する方々のネット書き込みを多数見ました。
「高市さん応援してたのに投票行動出来なかった。」
自分も同じ思いです。
「党員になる」
どこか自分の生活と距離を置いている人は私だけでは無いなと。。
「直接民主主義」「間接民主主義」についてはまだ私は理解不足だと思っているので意見を述べるに至らないのですが、自分は京都六区の有権者なので、自分も党員に参加して、関わっていかねばと今思っています。
早速でも先生の事務所お伺いしたいところですが、単身赴任で他府県におります。
近いうちに必ずお伺いしようと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。🙇♂️
ありがとうございます。
でも、私は次の選挙は京都6区から自民党では出ないので、その点ではご期待に沿えません。申し訳ありません。
引き続き、このようにネット等を通じて訴えていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
安藤先生、選挙区の件、承知いたしました。
そちらはまた別の方法で願い出るとして、安藤先生には引き続きご指導頂ければと思います。
引き続きよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いいたします。
安藤先生の解説、大変わかりやすく、説得力あります。納得です。
ありがとうございます。
少しピントが外れるかもしれませんが、お許しください。
国民が政治に関心が無いのではなく、政治に関心を向かないよう、左右問わないイデオローグ達が仕向けているように思います。
従って、議員の方は「風向き」を意識した議論に終始する。一方、国民の側は自分達の実情を訴えたいが、どうせ議員・エリート層は聞く耳を持たないからと諦め、議論を止めるか妥協した物言いに陥ってしまう。
はっきり言います。
私のような「馬鹿な日本人」には、直接・間接民主主義という概念は理解できません!
そもそも「民主主義」という概念も理解できません!
むしろ、日本の国柄と置かれている現実を直視した「本質的な議論」を国民・政治家ともに行うべきではないでしょうか。
そろそろ国民から政治家に至るまで、「議論」と「討議」の区別を認識するべきだと思います。
そう言った初歩的なところからスタートしませんか?と私は言いたいです。
そうですね。ありがとうございます。