立憲民主党がアベノミクス検証委員会を立ち上げ、先日の報告書が正式に提出されています。
この中で「消費が低迷する理由を消費税増税だと明記した」のは非常に大きい。
さらに、『枝野氏は「新型コロナウイルスによる消費低迷と生活困窮を踏まえると、時限的な消費税の5%への減税が必要だ」と述べた。政府が掲げる2025年度の基礎的財政収支の黒字化目標は「凍結せざるを得ない」と記者団に語った。』とのこと。
枝野氏はじめ旧民主党の執行部にいた人たちは、自分たちも消費税増税を主導した当事者であることから、正面きって「消費税増税が間違いだった」「消費税は減税すべきだ」と言えない状況でした。
自分たちも信念を持って進めてきた政策なので、言いにくいのは理解できますし、「財政健全化が必要だと考えているのだろうな」と私もずっと思ってきました。
最近は、枝野氏も少しずつ消費税減税も言い始めていたものの、「どこまで本気なのかな」と疑問を持たざるを得ませんでした。
しかし、立憲民主党の正式な委員会の報告書で、正式に「消費低迷の理由は消費税増税だ」と言い切った意味は非常に大きいと私は考えています。
さらに、代表が「基礎的財政収支(PB)黒字化は当面凍結せざるを得ない」と語ったことも大きな意味があります。
いま行われている自民党総裁選挙でも、基礎的財政収支(プライマリーバランス)(PB)黒字化目標の凍結を表明していたのは、最初は高市早苗候補だけでした。
しかし、その後は他の3人の候補者も全員が「PB黒字化先送り」の意向を表明しています。
総裁選4候補、いずれもPB先送りの意向 ネット討論会で口揃え
でも、この記事でもわかる通り、河野、岸田、野田の三候補は「有事なので当面先送り」と言っているのに対し、高市早苗候補は「大胆な財政出動をするためとして、物価上昇率2%の目標が達成できるまでPBの黒字化目標を凍結する」としています。
これは全く意味が違います。
まさに30年にも及ぼうとするデフレ自体が「有事」なのです。コロナだけではありません。
ところが、「デフレ」という有事が続きすぎて慣れてしまい、有事を有事として認識できなくなっていることが、他の三候補の致命的な欠点なのです。
デフレを「有事」として認識できない限り、これまでの政策が継続されてデフレという有事がこれからも継続してしまうでしょう。
高市早苗候補は、デフレという有事をきちんと認識し、デフレ脱却の処方箋として「大胆な財政出動をするためとして、物価上昇率2%の目標が達成できるまでPBの黒字化目標を凍結する」を明確に示しています。
その処方箋を適切に示している高市早苗候補が、自民党総裁となり、総理となってデフレ完全脱却を果たす。
これが最も現実的なデフレ脱却の解決策なのです。
幸いにして、最大野党の立憲民主党も、そのことに同意し始めました。
与党も野党も、財政出動がいまは正しい政策なのだ、と言い始めています。まさに時代は転換点を迎えようとしているのです。
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正に潮目が変ったという感じがします。立民がPB黒字化目標凍結を言うとは驚きです。国民の玉木氏、れいわの山本氏は前から言っていますから、高市総理のもとでは、予算がスムーズに通りそうですね。反対派は自民の二階、菅、河野と維新連合だったりして・・・。
高市氏もPB黒字化目標凍結なら消費税減税しても良さそうなものです。ちょっと矛盾していますね。岸田氏もPB黒字化目標凍結ないし廃止を言うようになれば日本万々歳なのですが・・・。
そうですね。岸田さんはそこが言えないのが残念なのです。他は非常にいいのですが。
私は与野党ともに、彼等の言葉を信じません!
イデオロギーにしがみ続ける政治・言論空間に「日本」というものはありません。何故なら、彼等は責任をとらないからです。
与野党問わず、なぜ彼等は緊縮財政から財政出動に考え方が切り替わったんですか?
「間違いとは言えない状態だった」というのは、我々国民から見たら言い訳の産物だ!「日本」という国家、国民、文化や伝統と「身をもって交わる」ことを放棄していたじゃないか!そうでしょ?
総合的な安全保障の話が未だに議題に登らないのは不思議ですね(苦笑い)。
中国は超限戦を仕掛け、ロシアもロシア流のハイブリッド戦争で国際社会に対峙し、アメリカの分断と国際金融資本主義者の"動揺"と、身をもって交わらないと解決しない問題の山積みですよ!
こうした感覚が安藤先生や上記のような状況を認識されている理解者を除いて、どれだけの方が正しく認識しているのか?
認識して頂かないと困りますね。
ありがとうございます。徐々に変わっていくしかないですね。