「国会議員の数が多すぎる!減らすべきだ!」という意見に「そうだ!そうだ!」と賛成する国民が非常に多い。
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しかし、本当に国会議員の数は多すぎるのだろうか。
実は、衆議院に平成27年に「衆議院選挙制度に関する調査会」が設置され、翌28年1月に答申を出しています。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/senkyoseido_toshin.html
これを読むと、定数削減については
『現行の衆議院議員の定数は、国際比較や過去の経緯などからすると多いとは
言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難い。』
としていて、学者の眼から見ると、定数削減みたいな馬鹿なことはやめろ、と厳しく批判していることがわかります。
しかし、そのあとの文章では
『一方、衆議院議員の定数削減は多くの政党の選挙公約であり、主権者たる国
民との約束である。』
と続き、現行の465の定数を提案しています。
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つまり、専門家から見ると、定数削減は「意味ないし、やるべきでもないけれど、約束しちゃったのだから、とりあえずやるしかないよね」というのが答申の趣旨なのです。
しかし、一部の政党の国会議員からは、たぶんこの答申も読んでいないのでしょう、相変わらず「こ国会議員の定数削減」を公約に掲げている政党もあります。
身を切る改革っていうのでしょうか。
これをやると人気が上がるので、国にとって本当はやってはならないけれど、自分たちの人気取りのためには喜んで公約にしてしまう。まさにいまの日本の政治の病的な部分がよく表れていると思います。
つまり、理論的には間違っていることでも、理屈ではなくて「雰囲気」「気分」「これを言うと国民に受けるから」というだけの理由で公約にしてしまい、それが功を奏して当選してしまう、ということです。
定数削減すると、国会議員は国民からますます離れた存在となり、特権階級と化していきます。
そして、当選するには知名度が必要ですから、世襲議員が圧倒的に有利になります。
いまの小選挙区制だと、ただでさえ世襲議員は有利なのですが、さらに有利になり、一般の国民が国会議員になるのはますます困難になるでしょう。
つまり、国会議員の貴族化が顕著となり、特権が強化されます。
仮に、全国民が参加できる議会が最も好ましいのだとすれば、議員は1億2000万人ということになりますが、それは現実的ではないので、ある程度絞り込んで議会を構成するわけです。
そう考えると、議員の数はできるだけ多いほうがいい。当然そういう結論になります。直接民主主義に近くなります。
減らせば減らすほど、理想の形態からは遠ざかる、ということになるのではないでしょうか。
民主主義を機能させ、東京一極集中が議会でも加速しないためにも、国会議員の定数は減らすのではなく、増やすべきなのです。世界的にみても、日本の国会議員の数が少な過ぎるのですから。
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虚無主義に陥っている大多数の国民も「貴族化」した国会議員を"応援"してますね。
国民の批判は心底批判しているのではなく、既存のメディアを経由した"受動的な情報"に依存しているため、国会議員や既存の権力を批判しているようで、実は貴族化した国会議員や既存の権力を擁護しているのです。
「我々国民は何も考えていません」と言っているのと変わりません。
貴族化した国会議員も、"国民の頑張り"にしか頼りません。
・仕事できない上司と全く同じ(怒)
・目標のない会社と全く同じ(怒)
・やたらと会議を開く会社と全く同じ(怒)
結局はイデオロギーは仮面に過ぎず、歴史的恨み晴らしたい、あるいは陽の目見たさでのし上がりたい"願望"を満たすための"闘争にもみたない闘争"を繰り広げたいだけなのでしょう。
『「自分が正しい!お前が間違ってる」闘争』を展開したいだけに過ぎません。それとも、国会議員から国民に至るまで群雄割拠した戦国時代を望んでいるのか・・・