年末年始のお休みに読むべき本。
大晦日の今日は、新刊をご紹介します。
ミッション・エコノミー 国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた (NewsPicksパブリッシング)
これを読むと、新自由主義の弊害は日本だけではないな、と感じます。
一部抜粋してみると
『「外注」と「民営化」がすべてをダメにした
この本を書き終えた時点で、アメリカとイギリスはどちらも問題を抱えている。それは40年にわたる政府管理機能の弱体化のツケとも言える。「政府は後ろに控えて、問題が発生したときにだけ介入すべきだ」という政治観が弱体化を招いたのだ。
政府の力をバカにして民営化を推し進めてきたために、政府機能の多くが民間に委託され、間違った効率性が導入された。政府にできることはほとんどなくなり、人工知能(AI)やスマートシティといった現実味のないテクノロジーに飛びついてしまうありさまだ。
政府機能への投資が減ったことで、制度の記憶は失われ、コンサルティング会社への依存が高まり、莫大な金額がコンサルティング会社に流れている。』
まるで、日本のことを言っているような文章ですが、アメリカやイギリスの現状を描写しているのです。
世界の先進国で、官は非効率で民間は効率的だから、民間でできる仕事はできるだけ民間に、という考え方で様々な改革が推進されていきました。
その結果、政府が弱体化し、国民を守るための本来の公務員の仕事ができず、コンサルティング会社に外注している。ムダ削減という掛け声が、結局組織の弱体化につながるのです。
非常にいい本です。ぜひ読んでみてください。
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マリアナ・マッツカートの本は知りませんでした。早速、読ませて頂きます!
しかし、英米発の理論を彼等自身が実践している割には、自分達で墓穴を掘っている。
日本人の「英米信仰」は、考え直した方がいいと思います。
昔から思っていましたが、我々日本人は海外の事例となると、すぐに「アメリカでは・・・」「イギリスでは・・・」となります。とりわけ西欧諸国やアメリカの事例を引っ張り出したくなる。
あまり、米英や西欧の事例を出し過ぎると文句言われるから、時々北欧やカナダといったヨーロッパ世界の中の国々の事例を出す。
「日本人の世界観って、英米やヨーロッパ世界だけかよ(^^)」
って、突っ込みたくなるのです。
「華夷弁別」や「五大州の公共の道」という言葉を知らないのでしょうね。
それぞれの国や地域の性格を正確に理解することで、流されずに思考できる。
また、それは我が国の性格を正確に知ることにつながる。
2022年の我が国は、「諦める」ことを実践できるか否かにかかるでしょうね。
「諦める」ことは、物事を分別して「明らかにする」から「諦める」ことができるのです。
さて、本日は大晦日。
安藤先生も来年も良い年でありますよう、祈念いたします。