年金制度について、存続を危ぶむ人も増えています。
特に若い世代は「どうせ将来は年金はもらえないだろう」「もらえても70歳以上とか、金額が減らされて当てにはできない。」と考えている人が非常に多い。
実際に、いまでも年金支給開始年齢が原則65歳以上となり、退職後に生活費が足りなくてアルバイトをしなくてはならない方も増えています。
このような年金不安が、昨日の自民党総裁選挙の討論会でも議論されていました。
https://digital.asahi.com/articles/ASP9L6RY6P9LUCLV00Y.html?pn=9&unlock=1#continuehere
残念ながら、「財源は税か保険料で賄わなければならない」という考え方でしか議論されていなかったので、どうしても「支給開始年齢を引き上げる」「支給金額を減らす」「保険料を上げる」「税(とりわけ消費税)を上げる」という解決策しか出てきません。
これを脱却するには、「財源は税だけではなく、国債も使っていい」と考え方を抜本的に改める必要があります。
これが「本当の改革」です。
財源論が守旧派のままで、国民を豊かにし、安心させる改革はできません。
財源はないので、「自己責任が大事。まずは自助。」「国が頼りにならないから、自分たちで頑張ろう!」という精神論になってしまいます。
自分の責任という言葉は、ある意味当然で、自分の生活は自分の力で切り開くべきだ。それはその通りです。
しかし、政治家の発想はそうであってはなりません。
年を取ったら働けなくなるのは当然。だから、老後の生活は安心できる体制を国家として整えなくてはならない。そのための年金制度であり、国民皆保険であり、介護保険なのです。
このような仕組みがある国に生まれてよかった。
国民がそう感じる制度を日々の改善のなかで作り上げていかなくてはなりません。それが政治家の仕事です。
そして、日本の場合、その制度を作るにあたり「財源の制約はない」のです。財源は国が国債を発行して調達すればいい。
あとは、経済との関係で税や保険料率を調整していけば、所得の再分配と経済成長を図りながら、安心して老後を過ごすことのできる政策を実現することができます。
この【税は財源ではないという「財源論」】と【国債発行によりお金は新たに誕生するという「貨幣観」】をきちんと理解する「大改革」の第一歩が、高市早苗候補のいう「プライマリーバランス黒字化目標の凍結」なのです。
プライマリーバランス黒字化目標の凍結によって財政赤字を拡大し、経済をデフレ脱却を果たして成長軌道に乗せ、しかも金利高騰も為替変動も発生しないことが証明されれば、「これまでの財政破綻論は何だったのか」という議論がますます深まっていきます。
そして、財政破綻論は嘘だったことが国民の間で主流を占めるようになっていくでしょう。
何といっても、「日米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」「ハイパーインフレの懸念はゼロに等しい」と財務省が言っていますので、日本の財政破綻はあり得ないということは間違いないのです。
そのためにも、今回の自民党総裁選挙で、プライマリーバランス黒字化目標の凍結を訴える高市早苗候補が勝利することが必要です。
福祉の充実をさせ、国民の老後の生活不安を取り除くためにも、「財政赤字こそが国民を黒字にし、豊かにする」という当たり前のことをもたらす「プライマリーバランス黒字化目標の凍結」を実現しなくてはなりません。
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安藤先生のPB凍結の必要性に全く同感です。政府の赤字が国民の黒字であることがなかなか広まらないのは、人間としての道徳観に照らすためではないでしょうか。国会議員の数を減らすとか、報酬を減らすとか、公務員の数を減らすなどの発想もその一つのように思います。私は政治家の報酬をもっと増やすべきだと思います。政治家の報酬や公務員の給与は税金で賄われているわけではないのですから。
ありがとうございます。赤字という言葉は道徳心に反するので、おっしゃる通りです。
「税金で賄われているわけではない」ことがなかなか理解されないですね。学校でも間違ったことを教えています。