昨日に続いて、年末年始のお休みに読むべき本の紹介です。
きょうは「西洋の自死~移民・アイデンティティ・イスラム~」という本を紹介します。
原題では「The Strange Death of Europe」で、西洋の奇妙な死というのが直訳になるのでしょう。
ヨーロッパが移民受け入れによって、全く異質の国家に変貌してしまっていることを赤裸々に描いている本です。
多文化共生、外国人差別のない社会、グローバル化。そういう言葉には誰も反抗できず、移民受け入れに反対の声を出すと「差別主義者」というレッテルを貼られて社会的に抹殺されてしまう。
そのために、移民受け入れ反対の声を出せないままに、なし崩し的に移民を受け入れていった結果、社会は大混乱となり、国民国家は崩壊して民主主義が機能しなくなっていく。政府が国民のための機能を果たさなくなっていく様が描かれています。
いま、日本では多文化共生が叫ばれ、外国人差別反対、という声が大きくなってきています。さらに、技能実習生や特定技能など外国人労働者受け入れを積極的に行い、事実上は移民受け入れを加速しています。
日本は、完全にヨーロッパの後を追っているのです。
移民を受け入れた国家がどうなっていくのか。将来の日本の姿を予見するには必読の本。