自民党新総裁に岸田文雄氏

 昨日は自民党総裁選挙が行われました。

 一回目の投票は事前の予想を覆して岸田文雄氏が一位となり、一票差で河野太郎氏が続きました。私の推していた高市早苗氏は議員票では二位になったものの党員票で伸び悩み三位、そして野田聖子氏という順位で終わりました。

 一回目の投票で過半数を得た候補者がいなかったため、上位二者による決選投票が行われ、岸田文雄氏が当選し、新総裁に選出されました。

自民党新総裁に岸田文雄氏…決選投票で河野太郎氏破る

とてもいい総裁選挙でした

 昨年の総裁選挙は、最初から菅氏の勝利が確実だったので盛り上がらない総裁選挙でしたが、今回は誰が勝つかわからない選挙で、派閥が推薦候補を決めない自主投票のところが多かったために、議員それぞれの思惑で投票行動が採られました。

 政策論争も盛り上がり、非常にいい総裁選挙になったと思います。

高市氏の「プライマリーバランス黒字化目標凍結」に大きな意義

 特に、高市早苗候補が「物価安定目標2%に到達するまではプライマリーバランス黒字化目標を凍結する」と明言したことは非常に大きかった。これにより、各候補者が財政再建のことには一言も触れず、むしろ財政支出拡大の話ばかりをするようになりました。

 「ここで緊縮財政や財政再建の話をしたら当選できない。」という雰囲気になったからです。以前は「無駄削減など財政再建を語らなくては当選できない。」だったことを思うと、天と地ほどの違いがあります。ほんの10年ほど前まではそんな雰囲気だったのです。

 コロナ禍という特殊事情があるとはいえ、国債を発行して財政支出を拡大する、という路線で一致したのはすごいことです。

 さらには、野党もプライマリーバランス黒字化目標凍結を主張し始めました。立民、財政健全化の凍結を表明 コロナ禍で消費税5%へ

 与野党ともに財政出動、つまり財政赤字の拡大で一致をみたわけです。

岸田氏の「新自由主義からの転換」「令和の所得倍増」も大きな政策転換

 そして、総裁選挙で勝利した岸田氏は「小泉改革以来の新自由主義からの転換」を掲げ「令和の所得倍増」を主張しました。

 これも実は大きな政策変更です。これまでの「とにかく改革すればいい」という改革路線から「ちょっと間違っていたのではないか?」と、これまでの自民党では言えなかった「先輩への苦言」を堂々と主張したのです。これも大きな意義があったと思います。

 しかし、新自由主義から転換し令和の所得倍増を実現するためには、国による財政出動が必要です。岸田新政権には、そのための大胆な財政出動が求められます。プライマリーバランス黒字化目標は当然凍結しなくてはなりません。

 まもなく衆議院選挙が行われますが、ここでも財政再建ではなく、財政出動が競われるようになるでしょう。

足りないのは「消費税減税」

 残念ながら、野党の支持率が上がらないのでこのままでは消費税減税までは自民党は踏み込まなくても勝てそうです。

 ここで消費税減税を実現するためには、自民党が消費税減税を言わないと勝てない、という状況を作らなくてはなりません。

 岸田新総裁には、数十兆円規模の経済対策を策定する、とのことですから、ぜひ即効性があり、確実に景気を上向かせる「消費税ゼロ」を時限措置でもいいので最低3年間、実現してもらいたいと思います

25件のコメント

安藤さんには財務大臣をやっていただきたいです。
大臣は民間人でも可能でしたよね。

ありがとうございます。大臣は民間人でもできますね。

新政権が息の長い政権になるかどうかは、衆院選前の初動で財政出動に勢いを
持たせられるかどうかにかかっているのかも知れませんが、岸田さんの発言からは
期待半分といったところです。
安藤さんがいつも言っておられる「貨幣観」は高知会や財務省を貫いて
この国の国体を立て直す背骨です。
新自由主義の象徴であるPB黒字化目標を何としても凍結して有言実行できるよう
今一度、新総理に進言してください。
経済音痴は総理どころか議員としても落第ですが、一縷の望みを託すしかありませんので…。

岸田さんは、少なくとも昨年の政調会長時代は、財政規律を重視していましたが、
いまはかなり積極財政に転換してきています。
いまだに確信をもって財政赤字の拡大までは言えないと思いますが、少なくとも
コロナ禍の経済対策の財源は国債だ、と明言しています。
そこは昨年とはかなり違います。
そして新自由主義からの転換を図るには、財政支出拡大をしなくては国民を豊かにすることはできません。
そこまで踏み切れるかどうか。これからですね。
消費税減税まで踏み込めたら最高なのですが。

消費税は「買い物するたびに意識」できると言う点で国民の共感を得られ易いと思います。
財政上は無関係なのかもですが、「買い物の度」と言う観点から「ゴミ袋要りますか?」問題も手が打てると消費者心理としては刷り込み易い気がします。
「買い物の開放感」?
みたいな着眼点ですが、どうでしょうね?

消費税減税が一番効果ありますし、広く日本全国に恩恵が及びますね。一番いい政策です。

安藤裕議員を応援します!
岸田総裁
安藤さんのような議員を財務大臣に
お願いします🙇‍♂️⤵️

まずは、PB黒字化の凍結が、最優先ですよね。
自民党の代議士が、岸田総裁が、正しい貨幣観に覚醒め、且つ積極財政に転ずれば、中国共産党の属国を避けられる。

その通りですね。頑張ってほしいです。

安藤先生の財務大臣の起用を求む!
まずここからです。

岸田新総裁の新自由主義からの脱却に期待しています。
私も広島出身で、新総裁も広島なので、
1. 亀井静香先生のように財政拡大、中小企業や中間層に厚いお考えでやってほしい。
2. カープファンとのことですが、球団カラーのように地域重視で地道に自分達で力をつけて回す(内需拡大の意味)カラーでやっていただきたい。逆に成長した事業、企業という大事な国家の財産戦力(選手)を外国(他球団)に売り渡す、買い叩かれることなどないようにお願いしたい。

あと大きなポイントとして竹中平蔵とは縁を切ってほしい。我々国民も正しいことを周りに伝えて政治家が正しくなると言う以上に正しいことをしやすくなる環境を作らなければならないと思っています。
安藤先生にも是非財務大臣など経済に関わる重要ポストについていただきたい。それが叶わなくてもどうか党内に正しい貨幣観、国家観を広めていただきたいです。応援しております。

新自由主義からの転換と、財政支出の拡大はセットです。
これからも正しい貨幣観、国家観を広めていきたいと思います。
竹中平蔵氏を外せるかどうか、見ていきましょう。

岸田新総裁の「小泉改革以来の新自由主義からの転換」と「令和の所得倍増」はすごい発言ですね。PB黒字化を凍結しないとできませんね。財務大臣に誰がなるかに注目です。

皆さん書いておられますが、ぜひ安藤先生か高市氏に財務大臣をやっていただきたいものです❗️

高市さんの国家観、政策が素晴らしく、応援していました。もちろん安藤さんは応援しています。河野さんが落選してホッとしています。高市さんは落選するも善戦し、他の候補にも絶大な影響を与えました。入閣し、内閣の中でも良い影響力を発揮してくれることを大いに期待しています。しかしながら、消費税についてはどの候補も減税することに言及しておらず、令和の所得倍増をいう前に、まず、弱者救済のためにも、消費活性化のためにも消費税ゼロがまず一番先に手をつけるべきではないかと思います。それが一番早く結果が出る。高市さんは、一旦下げるとまた上げるときに大変な苦労をするから下げない、と発言されました。言語道断。PM黒字化目標凍結を言う人が、減税を言わないということは、矛盾しているから、本心ではそうは思っていない可能性があり、財政拡大は暫定的なものに終わる予感がします。特に岸田内閣においては、何らかの力によって、インフレ2%になる前に止まる恐れがある、ということではないでしょうか。だから、総選挙での公約に含まれない場合、本稿の読者には申し訳ないが、私は野党に投票するつもりです。

そうなんですよね。本心からPB黒字化凍結を言っているのか。消費税を下げたら上げるときにまた苦労する、などと本当は言わないはずだと私も思います。
消費税ゼロが一番効果的で速い政策です。なぜそれを言わないのか、が不思議です。

岸田氏が新総裁になり、まずは一安心というところでしょうか。
一方で、財政再建は継続するとも仰っているようです。
財政再建の撤廃なくば積極財政も中途半端になるので、この部分引き続き国民が中止していかねばならない部分と思います。

とは言え、少し前ならば積極財政を主張する総裁候補が存在(しかも2名!)ということは考えられなかったかと思います。
野党も積極財政を訴える党が2つありますし、議論が進んでほしいです(もちろん消費税減税の議論も)

それにしても、このような変化が起きるのならば、つくづく安藤先生が次回出馬されないことが惜しまれます。

まだまだ予断は許しません。高市さんも岸田さんも、積極財政を本気で推進するとはいまのところ思えません。
ただ、一時的にでもコロナ禍という理由であっても、PB黒字化凍結を言い始めたのは大きい。
野党も同じような状況です。
立場が変わっても、同じように主張していきますよ。

安藤先生
ご返信ありがとうございます。
実際に自民党内におられる先生の感触としてはそのような感じになるのですね。
立場が変わっても、同じように主張されるとのこと、頼もしい限りです。
今後も応援しております。

一部訂正
☓この部分引き続き国民が中止
○この点、引き続き国民が注視

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あんどう 裕(ひろし)前・衆議院議員
慶應義塾大学経済学部卒、大手鉄道会社入社。平成9年税理士試験合格。平成10年独立し安藤裕税理士事務所を開設。平成24年12月衆議院議員総選挙により初当選。以後3期連続当選。議員連盟「 #日本の未来を考える勉強会 」前会長。税理士。